本 : なんのための仕事? 西村佳哲(河出書房新社)

最近読んで、とても感銘を受けた本です。

大手メーカーのデザイン部を辞めて京都でカフェを経営し、
その後アップル本社でも働くことになる方。
子供が出来たのを機に、デザインから幼稚園の仕事に移り、
用務員として(?)幼稚園づくりをする方。
新潟で、地元のメーカーと商品を開発し、
販売から発送まで自分たちで行う若い二人組の女性。
などなど、
それぞれの働き方をされてる人達のインタビューを中心にまとめられ、
「デザインって何ができることだっけ」
「仕事って何がどうなると幸せなんでしたっけ」
みたいなことを、考えさせられる本でした。

登場する人達の独自性や行動力、自分で考えた事をやるというのが、
言葉で書くと当たり前のことのようでいて、それはすごい。

きっとこの人達は、「やらないこと」ができる人達なんではなかろうか。
やたらに自分の「やってはいけない」を決めるとか、仕事を選り好みする
とかいうよりは、どちらかというと「こうしかならないんですけど」と
にじみ出た結果のように、方向性が絞り込まれていく感じで。

ニュアンスでいうと関西弁の「ようやらんわ」みたいな感じ?
(僕は関西出身でないので勝手な解釈ですが)
「ようやらん」と聞くと、「やりたくない」でも「できない」でもなく
でも「やってらんねーよ」と怒ってるのとも違う印象で、
「そう言うなら、そうでしょうね」と納得してしまう感じがあります。
この言葉と同じ標準語って、無いんじゃないか。

反対語は、相手に言う「ようやるわ」になるんですかね。
これもわからないけど。
これはこれで、半分は「まあ勝手にやってくれよ」と呆れつつ、
標準語の「よくやるよ」よりもまあ半分認めるような
温かい視点も感じられる、ような気がする。

やることは「ようやるわ」と言われるくらい集中して、
やらないことは「ようやらんわー」と自然に出るくらい、
自分で考えてやっていきたいと思っています。


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